最近階段を急いで上がると、息が切れる、動悸がする、痰が絡む。どうも年だなあとお考えのあなた、もしかするとそれは肺の病気かもしれません。布団を片づける時に苦しくなったり、家庭菜園の世話をしたら妙に汗をかいたり、息切れは気がつかないうちにあなたのそばにやって来ています。
息切れを起こす病気はいろいろありますが一番多いのはタバコを長年吸っている方に起こりやすい慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)略してCOPDと云う病気です。COPDは主に長期間の喫煙習慣により肺組織が傷害されて起こる病気です。肺のどの部分が主に障害されるかによって慢性気管支炎タイプと肺気腫タイプに別れます。慢性気管支炎では主に頻繁に絡む痰としつこい咳が症状になります。一方肺気腫では肺が大きく膨らんでしまい、息が深く吸えないためにさまざまな程度の息切れ症状が出現します。二つの病気を何故一緒にするのかと言うと、実際には殆どの患者さんで両方の病気が混在しているからです。その程度はおのおのの患者さんで異なるのでひとりひとりで症状は異なります。また軽い息切れは本人が気がつかない場合も多いので本人が気がつかないでいる場合も多いのです。