佐藤呼吸器科医院 | 高崎市飯塚町の呼吸器内科

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睡眠時無呼吸症候群

隠れた現代病 睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)という聞き慣れない病名を聞くとなんだか大変珍しくて重大な病気のように聞こえます。しかし重症のSASの場合、高血圧不整脈脳卒中心筋梗塞など重大な生活習慣病を合併しやすいという特徴もあります。
ではなぜSASは珍しい病気のように思われているのでしょうか?それには二つ理由があります。まず第一にSASの診断は難しいからです。終夜睡眠ポリグラフィーという特殊な検査をしないとSASの診断ができません。この検査は以前は大きな病院でないとできませんでした。しかし最近は簡易型の睡眠ポリグラフィーの装置がありますので、診療所でも医師が居れば診断が可能になりました。当院では睡眠時ポリグラフィー装置を導入して既に多くのSASを診断治療しております。
もう一つの理由は一般の方がSASという病気のことを知らないので、自分が病気だということに気がつかないためです。しかし最近はテレビなどがよく睡眠時無呼吸の特集番組を組んでくれるので、以前よりも病気の認知度が上がってきたようです。テレビでSASの番組があると、その後1~2カ月は嘘のように検査をして欲しいという患者さんが多くなります。テレビを見て自分の症状がSASに似ていると思う方が多いのは、やはりいかに多くの方が自分の病気に気づかずに生活している現れだと思うのです。

どんな時にSASを考えるべきか?

睡眠時無呼吸症候群SASは、実はいろいろ症状の多い病気です。もっとも多いのはいびきです。家族の方や、旅行に一緒に行った友人から、いびきがうるさいと言われたことのある方は要注意です。息が止まっていなかったか、訊いてみるといいでしょう。夜中に自分のいびきで目が覚めたり、息苦しくて目が覚めた経験のある方も要注意です。また多いのは昼間の眠気です。職場で会議中に居眠りしてしまい、注意されたことはありませんか。居眠り運転で事故を起こすのもSASの患者さんが多いと言われています。起床時の頭痛や疲労感もよくある症状です。これらの症状に二つ以上思い当たる方はぜひ、医療機関を受診してみましょう。

SASの治療はどうするのか?

当院ではSASの疑いで受診された患者さんはまず診察してから、睡眠時ポリグラフィーの検査を予約してもらいます。この検査は夜間に呼吸の状態をはかる装置を装着して眠ってもらい、一晩に何回くらい呼吸が停止するイベントがあるか計測します。大きな病院では2~3日入院して診断から治療まで一気に導入してしまうことが多いですが、当院では夜20時頃に予約で来院していただき装置を装着した上で自宅にお帰りいただき、いつものお布団でお休みいただいています。機械は翌朝に返却していただきこちらで解析して結果をご説明いたします。解析には時間がかかるのでご説明は後日になります。
もし検査でSASの診断がついたらどうするのでしょうか。主な治療は二つあります。1時間に40回以上無呼吸イベントのあることの確認された重症の患者さんでは通常、鼻マスクCPAP(Continuous Positive Airway Pressure)療法と言われる治療を行います。これはCPAPの機械をお貸しして(保険上は毎月処方することになっています)ご家庭で就寝前に患者さんがご自分でマスクを装着していただきお休みいただきます。重症のSASの患者さんは寝付きがいいのでマスクを付けていても普通はすぐ眠れます。眠ってしまうとまもなく無呼吸が現れます。CPAPの機械は無呼吸を素早く感知して呼吸を補助して呼吸を再開してくれます。それで患者さんはぐっすり眠れるようになる訳です。
無呼吸の回数が1時間あたり20~40の中等症の患者さんの場合(20以下でも自覚症状等で治療は可能です)はSleep Splintと言われるマウスピースを装着して眠る治療方法があります。SASの患者さんの多くはいびきから喉が詰まって無呼吸に陥る閉塞型無呼吸と言われるタイプです。Sleep Splintを噛んで寝ると、眠ってしまっても顎や舌が喉に落ち込むことを防いで無呼吸を予防してくれます。Sleep Splintは歯医者さんに製作していただきます。当院では歯科医師と連携して治療を行っておりますので、必要に応じて歯科医師にご紹介をさせていただきます。