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喘息ってどんな病気?
この間風邪をひいてから夜中の咳が改善されない。咳き込むと息が苦しいし、喉がヒューヒューなる(喘鳴)のよね。どうしたのかしらとお考えのあなた、それはもしかしたら気管支喘息の症状かもしれません。咳はいろんな病気で出ますが、夜就寝後に咳で目が覚める事が続くような場合、喘息の可能性が高まります。また喉がヒューヒューいう病気もいくつかありますが、喘息の可能性が高いです。
では咳が出ないで息苦しいだけ、喉がヒューヒューなるだけの場合はどうでしょうか。院長が以前調査した結果では喘息の患者さんの半数は最初になった時に咳が続いていましたが、残りの半数近くは発症時に咳は出なかったそうです。咳が気にならない喘鳴や息切れでも喘息の可能性は十分あります。喘息は風邪とは違って慢性の病気です。症状が一旦治まっても放置しておくとまた症状が再発するので、早めに医療機関を受診するの事が望ましいのです。
小児喘息と成人の喘息
私は子供の時小児喘息だったのだけれど、小児喘息と気管支喘息って別の病気ですかと訊かれる事があります。厳密にいうと子供の喘息と大人の喘息には多少違うところがあります。治療法も多少違うので、大人の気管支喘息治療ガイドラインの他に、小児喘息のガイドラインが別にあるのです。しかし基本的には大人の喘息と子供の喘息は同じ病気です。
またこれもよく訊かれる事ですが、喘息は子供の病気で大人になると改善するのではないですかという質問があります。実は、大人の喘息はよくある病気の一つです。大人の喘息は小児喘息の方が大人になった方ばかりではありません。喘息は大人のあなたがなっても何の不思議もない病気です。
咳喘息ってなに?
咳喘息(Cough Variant
Asthma)は、比較的新しい概念で、長く続く咳(慢性咳嗽)の患者さんの中に、咳だけで喘鳴を伴わない喘息の症例が混在している事を指摘したものです。咳喘息は喘鳴がないため、喘息としての診断が困難ですが、特別な病気ではなく、喘息の一種と考えていただければよろしいかと思います。また咳喘息の症例の多くは、いずれ喘鳴を伴う本格的な喘息に移行する可能性があります。治療方針も普通の喘息と同じです。
当院では院長が咳喘息に詳しい医師ですので、咳喘息の診断も行います。
喘息はアレルギー疾患
喘息の原因の多くはアレルギーです。群馬県の場合3~4月には杉の花粉症から喘息になる方、5~6月にはイネ科の雑草や、広葉樹の花粉で発症する方が多く来られます。夏場は蛾やユスリカのアレルギーで喘息になる方が多いです。秋になるとハウスダスト(ダニ)のアレルギーで喘息になる方が大変多いです。ヨモギやブタクサの喘息も秋に起こります。ペットアレルギーやカビのアレルギーは一年中続く場合が多いです。また職業性喘息と言って職場で吸込む粉塵や化学物質に対するアレルギーで喘息を発症する場合もあります。職業喘息はコンニャク舞粉によるコンニャク喘息ですが、現在は対策がきちんとされて殆ど見る事は無くなりました。こういった、さまざまなアレルギーの原因を検索していくには日本アレルギー学会認定アレルギー専門医の技術と経験がものを言います。
喘息とタバコ
喘息の発症や重症化に喫煙習慣が大きく影響しているのは周知の事実です。成人後に喘息を発症した方の問診を取ると最初に喫煙を始めた時期から1~2年で喘息が発症している事例が多いのに驚かされます。(本人はたいてい気がついていません)また喫煙中の喘息の患者さんに治療を始めても薬の作用が十分でないので、より強い薬を使用したり、薬の種類が増えてしまう事が多いです。
そういった患者さんにはタバコを吸っていると薬の作用が半分に落ちてしまうと説明しています。禁煙して急に調子がよくなったり、治療の必要が無くなる患者さんも居られます。そういう訳で喘息の患者さんには禁煙をご提案しています。
新しい喘息の治療
1991年の米国NHLBI(心臓肺血液研究所)&NAEP(喘息教育・管理プログラム)の喘息治療ガイドライン以降の国内外の一連の治療ガイドラインは疾患治療ガイドラインと言われています。
これらのガイドラインでは喘息を慢性の気道・肺の炎症疾患として捉え、それに対応するためにそれ以前の発作治療中心の喘息治療を炎症を抑える吸入ステロイド薬と発作を起こさないための長時間作用型の気管支拡張剤(LABA)を使用する新しい治療を提唱し、日本では1994年から15年間で年間6000人以上いた喘息により亡くなられる方を2000人程度まで激減させました。(喘息予防・管理ガイドライン2015)
当院を含めて喘息を治療する施設では、夜間の発作や救急外来の受診も急速に減少して来ています。当院では最近喘息の発作治療のための点滴を行う回数が激減して、点滴にいれるステロイド薬が使用期限切れになってしまうという嬉しいような悲しいような事態が起こりました。その位、喘息の治療は変わって来ているという事です。
しかし、いまだに十分ガイドラインが浸透して来ておらず、当院にもいまだに発作止めの薬が欲しいと言ってこられる患者さんが少なからず居られます。いまだに発作止めの薬が欠かせない喘息のあなた、新しい治療で発作の心配をしない生活を目指してみませんか?
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気道の炎症 |
気道の狭窄 |
気道の狭窄 |
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吸入ステロイド薬と長時間作用の吸入気管支拡張薬による |
吸入指導について
喘息の治療ではさまざまな吸入薬を使用します。しかし飲み薬と違って吸入薬は使用法にコツがあり、それを知らないと十分作用が出ない場合があります。
当院では以前から吸入指導に力を入れており、初めての患者さんには看護師が練習用の機材を使って懇切丁寧に指導しています。
吸入の薬の使い方がよく分からない方、一度当院においでください。