佐藤呼吸器科医院 | 高崎市飯塚町の呼吸器内科

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在宅酸素療法・在宅人工換気療法

在宅酸素療法とは?

慢性の呼吸器疾患が進行すると肺の機能が十分維持できなくなり、肺から血液に十分な量の酸素が行き渡らなくなります。血液の酸素が低いと、全身の臓器に酸素が行き渡らなくなり、機能不全を起こして早期に命を落としてしまいます。こう言った状態を慢性呼吸不全と言い、酸素療法が必要となります。
慢性呼吸不全を起こす病気としては、COPDの他、肺結核後遺症、間質性肺炎、気管支拡張症、肺がんその他の悪性腫瘍等さまざまな病気があります。こう言った病気の多くは慢性疾患ですので、簡単に病気が改善する訳ではありません。そこで自宅でも酸素療法を続けられるように、さまざまな器具があります。当院では開院当初から在宅酸素療法には力を入れています。既に多くの患者さんに、在宅酸素療法を導入していただいております。
当院は無床診療所ですが、万一の急性増悪時には、連携医療機関と連絡を取って入院加療も行う事が可能です。

在宅人工換気療法

慢性呼吸不全の患者さんには在宅酸素療法がその予後を改善してくれますが、すべての場合にそれで十分という訳ではありません。特に重症の慢性呼吸不全の場合、呼吸が十分できないため(換気不全)血液の酸素が不足するだけでなく、血液中のCO2が排出されなくなり、高炭酸ガス血症を呈して来ます。こうなると遠からず痰炭酸ガスの影響で意識を失い(CO2ナルコーシス)命を落としてしまいます。これを予防するため近年、換気不全を伴う呼吸不全の方には酸素療法だけでなく特に呼吸が弱まる夜間就寝時に呼吸を補助する機械を装着するNPPV(Non Invasive Positive Pressure Ventilation)と呼ばれる人工換気療法を行う事により、重症の呼吸不全の患者さんの予後とQOL(Quolity of Life:生活の質)を改善する事ができるようになりました。
当院では1998年に、在宅でNPPVの導入に成功いたしました。以後も着実にNPPVの症例を増やして来ております。長期の入院で体力の低下を招く前に、在宅でNPPVを導入する事によって、残り少ない患者さんの体力を低下する事なく、QOLを高める事のできる治療に導入できるので望ましい治療導入法だと考えております。